神による神の存在証明4
1)歴史による「神の存在証明」(続き)
②民族の奇跡的復興
そもそも、ユダヤ人が、主権と国土を奪われ、諸民族の国々の中に離散し、民族の言語を失って1900年、なお民族としてのアイデンティティを失わなかったことは、まさに歴史の奇跡です。
それがいかにありえないことか、海外移住した日本人を見てもわかります。海外移住した人々は、3、4世代を過ぎると、日本人としてのアイデンティティ、母国語、固有の文化、習慣、ものの考え方は失っています。数百年とたたないうちに、移住先の国に同化してしまうでしょう。もはや日本人という意識は持ちません。ましてや、移住2000年後に再び日本人として集団で祖国に帰還し、祖国で日本人のマインドで生活し始めるなどということは考えられないでしょう。
しかし、そんな奇跡がユダヤ人には起こったのです。
ユダヤ人が保持してきた「ユダヤ性」が、19世紀末あたりから目覚めだします。
まず、1881年のロシアでのユダヤ人殺戮を契機に、集団で祖国帰還を果たします。ロシア・ヨーロッパでユダヤ人の迫害や大量殺戮が繰り返されるたびに、帰還ユダヤ人は増えていきます。1948年には、難民ユダヤ人を含め80万人にも膨れ上がっていました。
同時に、ユダヤ民族の言語ヘブライ語がおよそ二千年ぶりに日常言語として復活します。エリエゼル・ベン・イェフダーの一家族が家庭でヘブライを使い始め、それが半世紀ほどでユダヤ人の間に広がっていったのです。
そして、1948年イスラエルは独立を果たし、1900年ぶりに国土を回復しました。ユダヤの地でユダヤ教の祭りも再開されました。ユダヤ人多くがイスラエルの神への信仰を保っていたのです。
これも、神による「神の存在証明」の仕方です。
もちろん、ユダヤ人が潔白で正しい民族であるから、その歴史が神の存在証明になっているというのではありません。ユダヤ人は迫害の歴史の中で特別な能力を開発し発揮したかもしれませんが、それで別段、他の諸民族より生物学的に優秀で、道徳性が高いというわけではないのです。ただ、神がこの民族を選ばれたがゆえに、他の民族にはない特異な歴史をたどっている、ということです。それがひいては、神がおられることの証明になっているのです。
(パレスチナ問題に関する人間視点でのイスラエル批判については、拙著『実は知らなかったイスラエル』I、Ⅱ を参照ください。神の視点に立つなら、日本を含めすべの民族が同罪です)。

