<「西洋」について>
現代的であることと西洋的であることは同じだとされてきた。(日本は西洋に含まれる)
文化、科学、社会変動、豊かさ、影響力において、西洋の優越性は既成事実化している。西洋の理念が繁栄、幸福、安全、安定、科学の進歩をもたらしてきた。
<「西洋」現状>
士気低下、大敗、萎縮、人口動態の難題、分断、崩壊、機能不全、衰退。それが西洋を中傷する人間の目から見た、現在の西洋の状態である。
今日、「西洋」は外部だけでなく、内部からも攻撃され、脅威にさらされている。とりわけ公平性、繁栄、安全が危うくなっている。非西洋的な思想を抱く人々の勢力がのし上がっている。米大統領トランプはその典型だった。
<開放性(自由)と平等「西洋」の繁栄の基盤>
開放性(自由)がなかったら「西洋」は繁栄できない。だが、平等がなかったら、「西洋」は存続できない。
社会の平等性、公民権、政治的発言権などの権利は平等であるべきだ。
しかし、社会がこれまで享受してきた開放性(自由)と平等という組み合わせが信頼を失いつつある。自由と平等の原理が社会の中で対立しあうようになった。
<繁栄と活力の回復>
・独裁者によって、経済と政治の停滞と麻痺から回復し、活力を取り戻した、という事例は存在しない。
・繁栄と活力の回復は、開放性と、平等の刷新と活発化という新しい組み合わせによって実現している。
・しかし、日本もアメリカも、それを妨げるうんざりするほどの材料を抱えている。高齢化など。
・中国もロシアも、各国が魅力を感じるような開かれた自由主義社会の代替となる体制を提示していない。中国の体制を模倣する国はどこにもない。
<「西洋」復活・・・開放性と平等>
開放性(自由)と平等がなければ、国民に期待させることができない。
特定の集団だけが利益を得るような特権や障害は取り除かなければならない。
西洋という理念は、世界一の成功を収めた政治のやり方で、今も強力で、基調として、より高度になって復活することができる。
①開放性は重要だが、いつも開かれているわけではない
②富だけでなく、教育機会の平等化が重要
③教育は、国の存続に不可欠な経済的、社会的資源でもある
④世代間の平等が不可欠
⑤平凡で退屈で不変であることが、経済成長のためには好ましい条件
<あかしあの木からひと言>
著者のエモットは、西洋人の傲慢が抜け切ってはいない。グローバリズムとは、世界を西洋基準で一体化させることである。それを再興させるべきだと主張している。しかし、西洋のヘレニズム的思考が、今日の自然破壊や虚無をもたらしているのだ。そのことに反省がないのは残念である。

