暗闇の中でこそクリスマス

ドイツ・バロック音楽の作曲家でオルガニストのヨハン・セバスチャン・バッハ(1685-1750)は、晩年、失明の危機を迎えました。それでも夜遅くまでローソクを灯して創作を続けました。「私は目が見えるかぎり書かなければならない」と言い、ローソクが燃え尽きると「ローソク。ローソク」と妻のマグダレーナに叫んでいたそうです。 

手術がうまくいかず、ついに失明が決定的になった夜、彼は動揺した様子もなく、妻に聖書からキリスト生誕の箇所を読むように頼みました。妻が読み終わると、彼は静かに語りました。「私たちは苦しみを悲しんではならないのだ。この苦しみは、私たちの苦しみをすべて背負われた主イエス・キリストに近づくためのものなのだ。」 

フランスのブレーズ・パスカル(1623-1662)は天才的な数学者であり、「パンセ」という不朽の名作を残したクリスチャン哲学者でもあります。彼は三十代、病気と貧困に苦しみ、短い生涯を閉じます。晩年は不自由な体になりましたが、それでも杖にすがり、あるいは人の手を借りて、毎日のようにパリの教会を巡り歩いたといいます。彼はこう言っています。「どうか私をかわいそうだと思わないでください。・・・・病はクリスチャン本来の状態です。」パスカルにとっても、病気の苦しみはキリストに近づく道だったのでしょう。 

クリスマスは、闇が光に、苦しみが希望に変った日です。救い主がお生まれにならなければ、お金はあっても人生には希望はなく、体は健康でも魂は暗闇です。しかし、救い主が来られたので、貧困、病気、失明でさえも神に近づく道となったのです。 

今年、大なり小なり、喜びもあれば苦しみもあったことでしょう。しかし、プラスマイナスすれば喜びの方が多い、あるいは少ないという問題ではないのです。喜びも苦しみもすべて主にあって祝福なのです。

おすすめ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です