エペソ書㉔「『隔ての壁』を壊す」

「しかし、以前は遠く離れていたあなたがたも、今ではキリスト・イエスの中にあることにより、キリストの血によって近い者とされたのです。キリストこそ私たちの平和であり、二つのものを一つにし、隔ての壁を打ち壊し、御自分の肉において敵意を廃棄された方です」。(2:13~15a)

主は、神の選びの民イスラエル(ユダヤ)人を通して、異邦人にも神の国の祝福が届くように計画されました(創世記12:3)。なのにユダヤ人は、異邦人との間に「隔ての壁」を築きました。ユダヤ人が選ばれたのは、道徳的、能力的に優秀であったからではありません。ただ神の恵みです。しかし、選ばれたことを誇り、その誇りが「隔ての壁」を生み出したのです。 

異邦人の教会も彼らを非難はできません。異邦人もユダヤ人に対して憎悪の壁を築き、差別し、迫害し、虐殺してきたからです。それは1700年来、今日も続いています。もともと異邦人のクリスチャンも生まれながらにして神の怒りを受けるべき「滅びの子」でした。それでも神の憐れみと恵みによって「神の民」とされたのです。イエス・キリスト以外、誇るべきものは何もありません。 

何も誇るべきものがないにもかかわらず、ただ恵みで生かされているだけなのに、両者は「隔ての壁」を作ったのです。それはすべての民族、人種、国民、階層間にある「敵意と憎悪の型(パターン)」です。 

キリストが十字架に架かられたのは、この「隔ての壁」を打ち壊すためでした。キリストは両者の間にある「敵意」を廃棄し、一つとなってともに神に近づけるようにしてくださったのです。キリストは「和解の型(パターン)」です。 

私たちはキリストに倣う者です。「神は、キリストによって、私たちをご自分と和解させ、また和解の務めを私たちに与えてくださいました」(Ⅱコリント5:18)。 

今日、この務めは重大です。人類は地球温暖化や新たなパンデミック、AI戦争など、さまざまな要因による滅びの危機に立っています。タイムリミットが刻々と近付いています。それでも、民族間にある「隔ての壁」のために、世界が一つになれないでいるのです。 

私たちにできることは何か。まず、キリストによって創造主と和解すること、この和解が基盤です。自分の心の中にある「壁」を壊し、隣人、隣国との「壁」を壊し、そして世界の和解のために祈ることです。この和解のために、主イエスが命を捧げられたことをいつも思い起します。そして、今日は「壁」を壊すために何を捧げるかと考えるのです。 

「隔ての壁」を壊すことは最も価値あることであり、何か一つの「壁」でも壊した者は偉大な者です。和解が成り立てば、犠牲の苦しみは喜びに変わります。

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