この本は、クリーニングで有名な白洋舎の開業者、五十嵐健治の話です。力強い証しで、大いに励まされたので、紹介します。
健治は、父母の離婚の後、養母に預けられて育ちます。父母の離婚の理由は、母がキリスト教信仰を持っていたことです。父は信仰に理解を示しつつも、やむを得ず離婚し、健治はキリスト教に反感を持ちながら育ちます。
働ける年齢になると、一獲千金を夢見て職を転々とします。時は日露戦争、三国干渉の時代で、他国の不当な扱いに愛国心から義憤を持った健治は、仲間と一緒に復讐を誓ってロシアに向かいます。しかし北海道でだまされてタコ部屋(奴隷部屋)に入れられ、過酷な強制労働を強いられます。
奴隷の主人に頼み込んで仲間を解放してもらい、自分は人目を盗んで逃亡します。その後、クリスチャンの経営する旅館に雇われ、宿泊客の中島に聖書を教えてもらい、創世記1章1節に心を動かされて信仰を持ち、井戸で洗礼を受けます。
ここからの生き方がすごいのです。健治は器用さと誠実さを買われて三越で働くのですが、辞めて独立する際、三越と競合して迷惑をかけないように、同時に世に仕えることのできるように、洗濯屋を選ぶのです。不潔なものや危険な薬品を扱うため、当時は人が選びたくない職業でしたが、健治は研鑽を積み、ドライクリーニングの技術を日本で初めて開発します。クリスチャンのぬいと結婚して六男六女をもうけ、公私ともに順調に見えました。
そんなときに、洗濯技術の開発中に爆発が起きて全治9カ月の全身やけどを負います。また、雇人の飲酒癖、使い込み、怠惰、裏切りに遭います。しかしそのたびに、妻のぬいに、信仰に立つことを励まされて乗り越え、安全管理を徹底することの大切さを学んで職場改善に努めたり、相手を許して祈ることを学んだりするのです。
健治は人生を通して、信仰を行動に移した人でした。世に仕えるという職業選択や、困難を乗り越える力、そして人を許すことなど、キリストに似たものになっていきたいという健治の生き方に、感銘を受けました。(2026年5月17日週報)
